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インフル、コロナ同時流行に備え
日本感染症学会が提言

インフルエンザの簡易検査結果を示す用紙す*名前に画像処理してあります=2009年10月22日 、東京・中野区【 時事】

 ◇唾液の抗原検査に期待

 流行が認められない地域では、インフルエンザの検査で反応があればインフルエンザの治療をし、反応がなければ解熱や水分補給などの対症療法をしながら数日後に再度診察を受けるように指導する。この時に、病状が改善していない場合は新型コロナを疑って検査をするのが基本になると予想されている。

 ただ、「症状や経緯などで新型コロナが強く疑われる場合は、最初の診察時にその検査をするべきだ」と舘田教授は指摘する。

 この場合に期待されるのが、まだ認知度は低いが検査時間が短く作業が自動化できる唾液を使った抗原検査で、提言もこの検査について詳しく紹介している。同教授も「外部機関に検査を依頼する場合でも翌日には結果が分かるので、早期の対応が可能になる」と言う。

入試シーズンにはインフルエンザを恐れてマスクが使われていた=2019年01月19日、東京都文京区の東京大学【時事】

 ◇まずはコロナを想定

 このように相対的に患者数の少ない新型コロナへの対応が重視されるのは、感染の疑いがある限り厳しい対策が求められるからだ。

 具体的には、高機能マスクや感染防護服を着用したり、診察室や待機場所を他の患者と別にしたりするなどの対応が必要とされている。

 この点について舘田教授も「実際はインフルエンザと確認されるまで、全ての患者に対して新型コロナを想定して対応することになる」と指摘。そうした対応を可能にするため、地域の診療所も含めた十分な感染防御機材の安定供給を求めている。

 ◇肺炎球菌ワクチン活用を

 患者側にできる対策もある。体調管理に努める一方、手洗いやマスク着用を励行することは季節にかかわらない自衛策だ。どちらのウイルスに感染しても重症化した場合は、細菌による肺炎を誘発する危険性もある。現在、細菌性肺炎のうち肺炎球菌に対してはワクチンがあり、小児や高齢者には公費で接種している。重症化しやすい持病などがある場合も接種できるので、かかりつけ医などに相談することも考えたい。

 ただ舘田教授は「インフルエンザも新型コロナも、完全な予防は難しい。だれもがかかる可能性はあるので、新型コロナの患者やその周囲に対して十分な配慮が必要だ」と話す。(喜多壮太郎)

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