インタビュー

肥満症、笠間和典医師に聞く(下)=減量外科手術、糖尿病にも期待

 ◇手術方法は4種類

 ―保険で手術が受けられるとのことですが、該当するすべての患者さんに適用されるのでしょうか。
 笠間 減量外科手術は、現在4種類の術式があり、患者さんの様態や希望を聞いて選びます。国内で一番多く行われているのは、保険適用となっていることもあり「スリーブ状胃切除術」です。この手術は胃をバナナ1本ぐらいの大きさに小さくすることで、食事が制限され、摂取カロリーが減ることで減量できます。胃を切り取ってしまうため、元に戻すことができませんが、食べ物は通常通り消化吸収されます。胃の上部をバンドで締めて二つに分ける胃バンディング手術よりも効果が高いと言われています。
 スリーブ手術よりも効果的なのが、栄養吸収を制限する2種類のバイパス手術です。胃を20~30ccの小さな袋に分け、小腸へつないで吸収量を下げる方法です。食事制限だけでなく、消化吸収も阻害されるので米国では最も多く行われていて、米国肥満代謝外科学会でゴールドスタンダードとなっています。高度肥満症の患者さんにはお勧めしていますが、日本では保険適用外のため自由診療。当院では治療費が200万円ほどかかります。

 ◇肥満解消で変わるQOL

 ―減量外科手術は糖尿病以外でも効果がありますか。
 笠間 外科手術後は肥満を原因とする糖尿病のほかにも、高血圧・高脂血症・睡眠時無呼吸症候群などは高い確率で治癒や改善します。睡眠時に鼻にマスクを装着し気道に空気を送り込む「シーパップ(CPAP)療法」を続けている中等度以上の睡眠時無呼吸症候群の患者さんからは、装置を着けずに寝られるようになったと言われます。生活習慣病で負担していた医療費が大幅に減るので、自費で手術しても数年で元が取れるということです。肥満解消で生活の質(QOL)が大きく変わります。アレルギーが改善したという報告もあり、肥満と病気との関係が今後さらに明らかになるのではないかと期待しています。(ソーシャライズ社提供)

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