自分は醜いと思い込む =思春期に多い身体醜形障害
◇心理療法が治療の柱
「自分の容姿は100点満点で何点か」と尋ねられると0点やマイナス点を付ける、「自分はお化けのように醜い」「こんな姿では生きていけない」など過度な表現を使う、鏡を極端に避けたり、逆に何時間も見続けたり、1日に何度も見たりする、美容外科手術を受けたがり、かなわないと親を責める―といった状況が半年から1年も続いた場合、精神科の受診が勧められるという。
「本人に、自分が病気だという認識がなく受診を拒むときは、まずは親だけの受診でも意味があります」と鍋田名誉院長。家庭での様子を聞くことで、ある程度は診断がつくからだ。
治療には抗うつ薬の一種が有効だが、中心は心理療法だ。個人差が大きいが、週1回、数カ月間、医師との面談を続ける中で信頼関係が芽生えてくると、徐々に快方に向かうケースが多いようだ。
「その間、家庭では『自分は醜い』と悩む子どもに対し、親はつらさに寄り添い、『自分の目にはそうは見えないよ』と優しい言葉を掛け続けることです」と、 鍋田名誉院長はアドバイスしている。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
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(2016/10/04 14:28)