ヘルスコミュニケーションDr.純子のメディカルサロン

金メダリスト・小平選手を支援
相澤病院・相澤孝夫最高経営責任者

 ◇モチベーションをいかに喚起するか

 海原 先生のマインドをどんどん広げていただきたいです。学生の頃からそういう考えを持っていらしたのでしょうか。

 相澤 僕が通った高校は、授業中に教室の後ろからみんなで抜け出して遊びに行ったり、授業に出なかったり。自由な校風で生徒たちは大体自立していた。慈恵医大に進んだら、そこがまた比較的自由で。本当にいい仲間に恵まれ、彼らと一緒に過ごしたことがたぶん僕の精神構造の一つをつくっている。

 それに輪をかけたのは相澤病院の経営ですね。病院経営は一時すごく悪化した。父が1981(昭和56年)に亡くなって、おじが理事長を継いだのだけれど、バブルの崩壊と薬価の引き下げに苦しみました。将来、僕が病院を引き継ぐならちゃんと勉強しなきゃいけないと思い、経営を学んだ。

 医療経営者じゃなくて普通の経営者向けの勉強会に行って、人に働いてもらうということはどういうことか、リーダーシップとは何かを教えてもらった。一番大切なのは、人のモチベーションをいかに喚起するか。組織をうまく機能させるためにトップがしっかり関与し、組織全体の最適化を図るのだと教えてもらった。そこで学んだことと僕の人生観が合致し、納得できました。

 おじから理事長と院長をバトンタッチされたとき、それが経営の根幹になったわけね。だから部門別管理はせず、病院全体でこれだけの収入が得られたら人件費はこれくらいで収支は多少プラスになるねという経営になった。

 日本の病院はファイナンスができていなくて、資金のほとんどを銀行から借り入れている。借金を診療報酬で返すことを繰り返すしかない。そうしないと資本の少ない医療法人はやっていけない。こういうやり方は公認会計士から「経営の安定性がない」「自転車操業だ」と怒られる。

 けれども、それしか方法がない。そういう中で自由闊達(かったつ)に次から次へといろんなことがやれてきた。僕は恵まれていたと思いますよ。高い機械を買っては頑張ってみんなで返済して、また新しい機械を買ってまたみんなで頑張って返済してってずっとやってきたから。

相澤医師(左)と海原医師(右)

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