教えて!けいゆう先生

間違った医療情報にだまされないで!
健康の悩み、ネット上で巧みに利用

 ◇だまされる人たちの特徴

 上述したように、健康上の深い悩みやコンプレックスは、誰かの金もうけの標的になります。悩みやコンプレックスの解決を目的に情報を検索する時は、それを利用して収益を上げたい人が存在することを、少しでも頭の片隅に置いておいてほしいと思います。

 他にも医療・健康情報で人をだます手法として、「病院に行きたくない人や病院嫌いの人を狙う」というものもあります。病院に行ってきっちり診察や検査を受ければ容易に治療できる病気でも、病院嫌いの人は何とか自力で治したいと考えます。

 こういう人たちは、病名や症状名に、「薬 おすすめ」「市販薬」「サプリ」というキーワードを組み合わせて検索します。例えば「逆流性食道炎 市販薬」「胸焼け 薬 おすすめ」などです。これらのワードで検索する人の気持ちを想像してみるとよく分かりますが、彼らはまさに、「病院に行く気がない人たち」です。健康食品やサプリメントなどの購買意欲が強く、商品を買ってくれる可能性が高いので、標的になりやすくなります。

 ちなみに逆流性食道炎(胃食道逆流症)は、プロトンポンプ阻害薬(PPI)という内服薬で大部分が治癒します。しかしこの薬は市販されていないため、内科の受診が必要です。逆流性食道炎は、きっちり治療されなければ、出血や狭窄(狭くなること)、食道がんなどを合併しうる病気です。もし、逆流性食道炎にサプリや健康食品を薦めるなら、それは購入する人の大切な治療機会を奪うことを意味します。そしてこういう病気は、逆流性食道炎以外にもたくさんあります。

 「病院に行きたくない人」を標的にする人たちには、もう一つ重要な仕事があります。それは、「病院に行きたくない人を増やす」という作業です。その作業は意外に簡単で、医師への不信感をあおるのがポイントです。

 「医師を信用せず、病気はネットで自分で調べて知識をつけましょう」

 「患者として自立し、医師任せの治療を受けないよう気をつけましょう」

 「医師は製薬会社と癒着しているので、信用できません」

 「この薬が認可されたのは、医師たちと国の陰謀です」

というような情報を絶えず吹聴しておくことで、これを聞いた人に「病院って怖い」「医師は信用できない」と思わせるわけです。

 最後に、「わらをもつかむ思いの人を狙う」という最も悪質な手法もあります。特に、一部のがんなど治療が難しい病気にかかった人が標的になります。彼らは病院で医師から標準的な治療を提案されても、「他にもっと良い治療はないものか!」と必死で探したい気持ちになっています。このような状況の方を狙って、高額の商品を売りつけたり、医学的根拠のない治療に誘い込んだりする人が多くいます。彼らは同時に、「医師への不信感を高める作業」も怠りません。

教えて!けいゆう先生