治療・予防

チームで支える高度肥満治療
心理面の理解も重要

 身長と体重から算出するBMI(体格指数)が35以上の場合を「高度肥満」と言う。その特徴や心理的な側面による治療の難しさ、周囲のサポートの重要性について、東邦大学医療センター佐倉病院(千葉県佐倉市)糖尿病・内分泌・代謝センターの齋木厚人准教授に聞いた。

 ◇高度肥満の特徴

高度肥満は記録とチームで支える
 BMIが25以上になると糖尿病のリスクが高くなるが、体重の3~5%を減らすだけでもリスクは低下すると言われている。


 一方、BMI35以上の高度肥満の患者は、もともと「太ることができる体質」であり、糖尿病は意外に少ない。ただし、心不全や腎不全、睡眠時無呼吸症候群や関節障害などが起こりやすく、突然死や寝たきりになるリスクが高い。

 問題なのは、高度肥満患者が治療を受けようとしない、肥満であることを受け入れられない、ということだ。うつを併発する人も少なくない。就職面接で「自己管理ができていない人物」と判断されたり、何度も減量に失敗したりすると、「心が傷つかないようにする防御反応が働きやすい」(齋木氏)という。病院で生活習慣を否定されたり、病気のリスクなど患者にとってつらい情報を聞かされたりした患者が、通院しなくなることもある。

 齋木准教授は、「BMIが35を超えたら本人の努力不足とは決めつけず、病気として捉えるべきです。周囲も治療の必要性を認識すること。ただ、強制はせず、患者自身が自覚するのを待つ姿勢も大切です」と強調する。

 ◇書く習慣で意識付け

 高度肥満の治療としては、食事療法や運動療法のほか、手術で胃を小さくする方法もある。手術を受ければ30%も減量が可能な場合もある。

 しかし、いずれの治療でも、手術前から体重を記録する習慣を付け、患者自身の問題であることを認識させることが重要だという。治療に前向きになれないとか、極端な減量に取り組み過ぎて続かないという患者もいるため、医師や看護師、管理栄養士などの医療者側もチームで取り組み、体重が増えても患者を決して責めることはしない。

 患者の支援態勢が整っている病院は、日本肥満症治療学会のホームページに掲載されている。齋木准教授は、「手術でうつなどが改善することもありますが、過度な期待は禁物です。結局は自分自身がどう変わるか。周囲も治療で簡単に結果が出るものではないと認識して取り組むことが大切です」としている。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容は取材当時のものです)


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