治療・予防

自傷行為、早めに相談
発達障害の可能性も

 自分の頭を壁や床に激しく打ち付ける、手首や指をかむ、髪の毛を抜くといった「自傷行為」を繰り返す子どもがいる。発達障害が原因のこともあるので、子どもの状況と対応方法を知るため、早めに近くの子ども家庭センターや保健センターなどに相談したい。

 ▽環境変化が影響

さまざまな自傷行為に親も心が痛む
 自傷行為は乳児期から表れる子どももいれば、進級や進学など環境の変化がきっかけになることもある。兵庫県立こども病院(神戸市)の精神科医である関口典子医師は「原因の一つに発達障害があります。発達障害の子どもが自分自身を傷つけてしまうのは、身体的理由と社会的理由があります」と話す。

 発達障害の子どもは、熱い、冷たい、痛いなどの感覚が、過度に敏感だったり、鈍かったりするという。例えば、大したことがないと思われるけがをひどく痛がる一方、他人が驚くような大けがをしても平気な顔をしていることがある。こうした子どもは、アンバランスな身体感覚を刺激するような遊びを好む傾向があり、痛みを伴う行為であっても、楽しむために自傷行為をしているようにも見える。

 また、自分の気持ちを上手に言葉で表せないため、不安やストレス、要求、拒否を自傷行為で表現することもある。成長に伴いコミュニケーション能力を身に付けると、自傷行為も減ってくることが多い。ただ、環境が変化する進学時期や夏休み、ホルモンバランスが変化する思春期などには一時的に自傷行為が増える可能性もある。

 ▽過剰反応は禁物

 子どもを自傷行為から守るためには、まず、よく観察して、なぜその行為をしているのか理解することが大切だ。遊びとしての自傷行為なら、より安全な遊びに夢中になるよう誘導する。不安やストレスによる反応であれば、そのストレスを取り除くか、気持ちを切り替えさせることが必要になる。

 コミュニケーションの手段として自らを傷つけている場合は注意が必要だ。自傷をすれば構ってもらえる、自分の要求を聞いてもらえると一度認識すると、行為がエスカレートする上、頻度も増しかねない。

 子どもが過剰な自傷行為をしても過剰な反応は禁物だ。関口医師は「周囲の反応が大きいと、子どもはますますパニックに陥りかねません。きつく叱らず行為が落ち着くのを待ち、児童精神科などに相談してください」と話している。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)

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