足の悩み、一挙解決

第8回 なぜ女性は人さし指の付け根にタコ・ウオノメができやすいのか 足のクリニック表参道院長 桑原靖

 インソールを使って矯正を行う場合、骨格構造が弱い人に対しては、下から適切なアーチの形になるよう、立体的に持ち上げることで、それぞれの指へ均一な力がかかるようになります。一方、構造が強い人に対しては、それが難しいため、インソール自体を足の形に合わせて作製し、かかる力を分散させる必要があります(図表2参照)。

図表2

図表2


 ◇子どもはタコができにくい

 子どもの足は発達段階であるため、足のアーチはなく、小学校低学年であれば、ほぼみなさん扁平足です。ですが、体重が軽く、全身の関節も柔らかいため、足へかかる負担が小さく、通常タコはできません。

 ですので、「タコがある」と親御さんに連れられて受診するお子さんは、そのほとんどがタコではなく「イボ」と診断されます。ただし、イボではなく、本当にタコであった場合、それはかなりの異常であるため、足の構造と機能、歩き方に至るまで、細かく診る必要があります。

 ◇ウイルスが原因のイボ

 一見、ウオノメと区別がつきにくいのが「疣贅(ゆうぜい)」、つまりウイルス性のイボです。ヒトパピローマウイルスの感染が原因で、ウイルスが生き延びるために血管を引っ張りながら増殖します。削ると出血したりし、黒い点々のような出血跡が見えるのが特徴です。

 ウオノメやタコができていたり、傷があったりするところは、局所的に免疫力が低下していて、ウイルス感染も起こりやすく、イボができやすい状態です。ウオノメと間違えて削ってしまうと、さらにイボが広がってしまうので、自己処理は厳禁です。

 イボの場合、皮膚科などでは、液体窒素で焼く治療法が一般的です。刺激を与えることで、局所的に免疫が向上し、ウイルスを排除するようになります。

 初期のうちの小さなイボなら、1週間ごとに数回の治療で治る場合が多いのですが、ある程度大きく、皮膚の奥に深く入り込んでしまうと、治療が長期化しやすく、長い場合では、1年以上かかる場合もあります。放置すると、どんどん数が増えていって、治療が大変になってしまうので、早めに治療を開始することが大切です。

 ◇1日1回、足を洗う

 イボができやすいのは、もともとの体質もありますが、ゴルフ場やスポーツクラブ、プール、温泉など、不特定多数の人と素足で空間を共有するような場所に行く習慣があると、リスクが高くなります。

 ただし、24時間以内に足をきれいに洗えば、ウイルスに感染することはありません。外でお風呂に入ったからといって、家での入浴を省略せずに、家でも再度、足を洗うようにしましょう。

(文・構成 ジャーナリスト・中山あゆみ)


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