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国民の5人に1人が悩んでいるといわれる睡眠障害。特に若者に多く、原因の一つがスマートフォンやパソコン、ゲーム機などのデジタルデバイスの画面のブルーライト(青色光)と呼ばれる光だ。影響について国立精神・神経医療研究センター(東京都小平市)精神保健研究所睡眠・覚醒障害研究部の北村真吾室長に聞いた。
▽朝なら脳や体を活性化
ブルーライトとは、目に見える光のうち波長の最も短い青色系の光。デジタルデバイスだけでなく、蛍光灯や発光ダイオード(LED)照明などや太陽光にも含まれている。朝に浴びると体内時計をリセットさせて、脳や体を活性化する重要な働きがある。
北村室長は「ヒトには約24時間周期のリズムを刻む体内時計がありますが、周期は24時間ちょうどでないため徐々にずれが生じます。これを調節するのがブルーライトです」。
▽眼鏡やアプリも有効
現代社会では、昼夜を問わずブルーライトを浴びやすい生活環境に変化している。時間が短ければ問題ないが、日没時刻以降に長時間当たると体内時計が夜型化して睡眠のリズムが乱れる。太陽光のブルーライトを夜に浴びると脳が昼間と勘違いし、睡眠を促すメラトニンの分泌が抑制されて眠りにくくなるためだ。
「睡眠のタイミングが夜型化し、寝付けない、眠りたい時間帯に睡眠が取れないといった睡眠障害が生じます。日中に眠くなり、集中力が低下することもあります」
そのため、デジタルデバイス使用の最小限化や使い方の工夫が必要になる。ブルーライトを浴びる時間や量が多くなるほど睡眠障害が起きやすくなるため、夜間はデジタルデバイスの使用を短時間に抑えることが重要だという。
北村室長は「スマホやパソコンの輝度を抑え、ブルーライトをカットする眼鏡やアプリを使用すると効果があります。また、部屋の照明をブルーライトが少ない暖色系(電球色)にするのもよいでしょう」とアドバイスする。
特に子どもは大人以上にブルーライトの影響を受けやすく、早いうちから影響を最小限に抑えるよう「保護者は注意してほしい」と呼び掛ける。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2021/07/27 05:00)
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