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気温や湿度、気圧、天候の変化で起こる「気象病」は心身にさまざまな不調が表れる。こうした悩みへの適切な対処法を、上本町わたなべクリニック(大阪市)の渡邊章範院長に聞いた。
気象病の症状はさまざま
▽原因は自律神経の乱れ
症状は関節痛や頭痛、耳鳴りなど身近なものから、めまいや不整脈のように突然起きるもの、ぜんそく、高血圧、脳卒中、心筋梗塞のようなものまでさまざまだ。不安感やうつなど精神的な症状も起こる。「一番の原因は自律神経の乱れと考えられます」と渡邊院長は話す。
自律神経には交感神経と副交感神経がある。交感神経は、仕事やスポーツをしている時、ストレスを感じている時などに活発に働く。環境の変化や活動に備えて血液を脳や筋肉に送り込むため、血圧や心拍数が増加する。
一方、副交感神経は、睡眠中やリラックスしている時などに活発に働いて血管を広げ、血圧や心拍数を低下させて体を休める。
心身の健康維持には、自律神経がバランスよく働くことが大切だが、気温や湿度、気圧、天候が短期間に大きく変化すると、こうした仕組みが働きにくくなりさまざまな症状を来す。気象病は若年層でも起こるが、中年期以降に増加することが多いという。
▽かかりつけ医に相談を
渡邊院長は「気象病かもしれないと思ったら、通院しているかかりつけ医に相談するとよいでしょう」とアドバイスする。例えば、高血圧患者は気象の変化で血圧が上がると、脳卒中や心筋梗塞を発症するリスクが高まる。「血圧日記」を作り、家庭で測った血圧値と気象の変化を記録して相談するとよい。
日常生活での工夫としては、朝は交感神経の働きを高めるため冷水をコップ1杯飲み、熱めのシャワーを浴びたり、ストレッチをしたり、日光や外気を感じながら散歩をしたりする。
夜は副交感神経の働きを高めるために、ぬるめの湯にゆっくり漬かり、穏やかなクラシック音楽を聴いたり、座禅や瞑想(めいそう)をしたりしてリラックスする。日中のストレスや悩みをベッドに持ち込まずに就寝したい。
「気象病をコントロールするには、日ごろから交感神経と副交感神経のバランスを整えるよう努めることが大切です」と渡邊院長は話す。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2022/02/08 05:00)
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