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リウマチになったら何科に行けばいい? 【第2回】

 リウマチの症状が気になる方にとって、どの科を受診すればよいのか、どんな検査をするのかを知っておくことは重要です。特に、朝の手のこわばりや関節の腫れが気になる場合、早めに医師の診察を受けることをお勧めします。

 リウマチの症状が疑われる場合、まずはリウマチ内科を受診することが推奨されます。リウマチ内科は、関節リウマチを含む自己免疫疾患を専門とする診療科です。

 一般内科でも初期診断は可能ですが、専門的な治療が必要となるため、リウマチ内科の受診が最適です。専門医は詳細な問診と診察を行い、適切な検査を指示します。

リウマチの症状が疑われる場合、まずはリウマチ内科を受診(イメージ画像)

リウマチの症状が疑われる場合、まずはリウマチ内科を受診(イメージ画像)

 ◇詳細な問診が不可欠

 関節リウマチの診断には詳細な問診が不可欠です。医師は患者の症状や健康状態についてさまざま情報を収集します。問診では以下の点が重視されます。

 ・発症した時期・現在の症状

 関節リウマチの診断を行う際には、まず、患者さんが症状を感じ始めた時期や、現在の具体的な症状について詳しく問診します。これはリウマチの進行度や症状の特定に非常に重要です。

 例えば、「いつから関節の痛みやこわばりを感じ始めましたか?」「特にどの関節が痛みますか?」「痛みの強さや頻度はどの程度ですか?」といった質問がされます。

 これにより、医師はリウマチの可能性を評価し、他の関節炎や病気と区別するための手掛かりを得ることができます。

 また、症状が時間帯や活動によってどう変化するかも重要な情報です。朝に特に強いこわばりがある場合は、リウマチの典型的な症状の一つです。

 これらの詳細な情報を基に、医師はより正確な診断と適切な治療方針を立てることができます。

 ・家族に自己免疫疾患の人はいる?

 関節リウマチは遺伝的な要因が関与していることが多いため、家族に自己免疫疾患の人がいるかどうかも重要な問診項目です。

 医師は「家族にリウマチや他の自己免疫疾患(例:全身性エリテマトーデス、1型糖尿病、甲状腺疾患など)の方はいますか?」のように聞くことが多いです。

 自己免疫疾患は遺伝的な素因が強いことが知られており、家族歴がある場合はリウマチのリスクが高まるためです。

 家族に同様の疾患がある場合は、早期に適切な検査や治療を行うことで、症状の進行を抑え、生活の質を向上させることが期待できます。

 家族歴についての情報を正確に提供することは、医師がより正確な診断を行い、効果的な治療計画を立てるために非常に役立ちます。

 ・家庭・仕事・趣味などの生活環境は?

 関節リウマチの診断を行う際には、患者さんの日常生活や環境についても詳しく問診されます。これは、症状の出現や進行に生活環境がどのように影響しているかを理解するためです。

 例えば、「普段の生活でどのような活動をしていますか?」「仕事では体にどのような負担がかかりますか?」「趣味や家庭内での作業はどのようなものですか?」といった質問がされます。

 これにより、医師は患者さんの生活習慣やストレスレベル、身体的な負担を把握し、リウマチの症状と関連付けることができます。

 例えば、重労働や同じ姿勢を続ける仕事をしている場合、関節に負担がかかり、症状が悪化する可能性があります。

 また、ストレスが関節リウマチの発症や悪化に影響を与えることもあるため、生活環境のストレス要因についても詳しく聞かれます。

 これらの情報を基に、医師は患者さんの生活スタイルに合った治療法やアドバイスを提供することができます。

 ・過去にどのような病気にかかった?

 関節リウマチの診断では、過去の病歴についても詳しく問診されます。これは、リウマチが他の病気と関連している場合があるためです。

 医師は「これまでにどのような病気にかかりましたか?」「過去の病気や手術の経験はありますか?」「過去に関節に関する問題や治療を受けたことがありますか?」といった質問をします。

 特に、自己免疫疾患や感染症、慢性的な炎症疾患などの既往歴はリウマチの診断に重要な情報です。

 例えば、過去にリウマチに関連するような症状があった場合、それが現在の症状と関連している可能性があります。

 また、以前に受けた治療や服用していた薬についても尋ねられます。

 これらの情報は、現在の症状の原因を特定し、適切な治療計画を立てるために非常に重要です。過去の病歴を詳細に伝えることで、医師はより正確な診断を行い、効果的な治療を提供することができます。

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