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リウマチになったら何科に行けばいい? 【第2回】

 ◇骨びらんがあればリウマチ

 問診の後、医師はさまざまな検査を行い、リウマチの診断を進めます。

 診察では関節の腫れや痛みを確認し、超音波やMRIを用いて詳細な画像検査を行います。いずれかのチェックにおいて、一つ以上の関節に腫れが確認される場合、リウマチが強く疑われます。

分類基準に当てはめてリウマチの可能性を鑑別(引用:湯川リウマチ内科クリニック)

分類基準に当てはめてリウマチの可能性を鑑別(引用:湯川リウマチ内科クリニック)

 単純X線写真で骨のびらん(骨の侵食)が見られる場合、リウマチの可能性が高いとされます。骨びらんはリウマチの進行によって引き起こされるため、診断の重要な手掛かりとなります。

 ◇分類基準に当てはめて識別

 症状や検査結果を基に、2010年の米国リウマチ学会/欧州リウマチ学会が作成した、早期診断のための分類基準「2010ACR/EULAR関節リウマチ分類基準」に当てはめて、リウマチの診断が行われます。

 分類基準に基づくスコアを用いてリウマチの可能性を評価し、他の疾患との鑑別を行います。

 とはいえ、全てのリウマチの症例が分類基準に当てはまるわけではありません。リウマチに関する知識や診療技術が要されるため、朝の手のこわばりや関節の腫れなどの症状が見られたら、リウマチ内科を受診し、専門的な診察と検査を受けましょう。(了)


湯川宗之助医師

湯川宗之助医師

 湯川宗之助(ゆかわ・そうのすけ) 1975年生まれ、東京都出身。2000年東京医科大学医学部医学科卒業後、同大学病院第三内科、産業医科大学医学部第一内科学講座を経て、15年に湯川リウマチ内科クリニックを開院。16年一般社団法人リウマチ医療・地域ネットワーク協会を設立。リウマチの正しい理解を促す啓蒙活動を精力的に行う。関節リウマチの啓発活動、継続的なその取り組みが評価され、さまざまなメディアでも紹介。20年にはKADOKAWA出版より書籍を発刊。


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