尿ケトン体

■肝疾患や溶血性貧血の診断
 尿にケトン体が出てくるのは糖尿病のコントロールが不良で、ぶどう糖の利用が十分にできないときです。さらに極端な空腹、飢餓(きが)や下痢(げり)、嘔吐(おうと)などで糖質が不足したり、糖質の利用が障害されると、脂肪酸の分解によってエネルギーを得ることからも発生します。
 さらに、糖尿病のコントロールが極端にわるくなり糖尿病性ケトアシドーシスになると、尿中ケトン体はいちじるしく増加することが多くなります。

■基準値:陰性(-)

■検査結果から疑われる病気
 糖代謝異常(糖尿病性ケトアシドーシスなど)、内分泌疾患、甲状腺機能亢進症など、空腹、飢餓、下痢、嘔吐、妊娠悪阻など

(執筆・監修:国際医療福祉大学大学院 臨床医学 教授〔臨床検査医学〕 下澤 達雄)