総コレステロール

■動脈硬化の重要因子
 コレステロールは生体の細胞膜の主成分として、また、ステロイドホルモンや胆汁酸の前駆物質としてなくてはならないものです。これが検査値として注目されるのは、動脈硬化疾患として心筋梗塞などになりやすいかどうかにかかわるからです。
 多くの疫学調査から血清総コレステロールが高いと、虚血性心疾患の発症頻度が高くなることがあきらかになっています。実際には、悪玉コレステロールといわれるLDLコレステロールが高いことが問題になりますが、通常はLDLコレステロールが高いときには総コレステロールも高くなります。
 しかし、善玉コレステロールといわれるHDLコレステロールが高いときにも総コレステロールが高くなり、単に総コレステロールが高いからといって、すぐ治療する必要はありません。

■基準値:142~248mg/dL

(執筆・監修:国際医療福祉大学大学院 臨床医学 教授〔臨床検査医学〕 下澤 達雄)

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