チック障害〔ちっくしょうがい〕

 チックとは、顔面の筋肉などが、自分の意思に関係なく突然リズミカルに動いてしまう状態をいいます。発症年齢は4~11歳くらいです。
 原因はよくわかっていませんが、脳内の神経伝達物質が関係していると推定されています。また周囲が心配して子どもに意識させすぎると症状がわるくなることがあり、ストレスが関係していることがわかります。
 症状は、まばたき、顔しかめ、くびゆすり、肩すくめなど身体部分の運動としてあらわれるもの(運動チック)と、せきばらいや鼻をくんくんいわせるなどの音としてあらわれるもの(音声チック)があります。またもっと複雑な運動がみられたり、汚い言語をくり返し言ったりするものもあります。症状が1年以上続き、運動・音声チックがほとんど毎日続くような重症な場合をトゥーレット症候群といいます。
 治療では病気の理解をはかる心理教育が重要で、本人が症状に注目しないように、周囲が見守る必要があります。重症な場合の薬物療法としてアリピプラゾール、ハロペリドールなどの抗精神病薬が使用されることがあります。

【参照】
 子どもの病気:チック
 脳・脊髄・末梢神経・筋の病気:チック

(執筆・監修:高知大学 名誉教授/社会医療法人北斗会 さわ病院 精神科 井上 新平)
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