チック〔ちっく〕 家庭の医学

 目をパチパチしたり、顔をしかめたり、くびを曲げたり、肩をピクピク持ち上げたり、手足をピクンと動かしたり、せき払いや声を出すなど、からだの一部を不規則にくり返して動かす動作をチックといいます。
 全身どこにでも起こる可能性がありますが、まぶた、顔、くびや肩など上半身が起こりやすい場所です。3~13歳に起こりやすいといわれています。

[原因]
 チックを起こす病気もあり、体質的なものも関連します。起こしやすい素質があり、そこに環境要因が引き金になると考えられます。
 対人関係のトラブルなどの心理的な緊張やストレス、みんなの前で発表するときなどの緊張、遊びを含めた過度の興奮状態なども誘因となりえます。
 多くは一過性ですが、くり返して出現したり、慢性的に起こすこともあります。トゥーレット症候群は慢性的なチック症状に、汚いことばを吐く症状が合併する神経系の病気で、男子に多く、10歳前後に発症します。

[治療]
 チックは無意識に起こるもので、とめるように注意しても、短時間は抑えられても根本的にはとまりません。しかっても効果はなく、かえって緊張を増し、症状が強くなることもあります。
 子どもに対する過度の干渉を減らし、チックの動作にはあまり目を向けず、気にしないようにし、緊張をほぐしてあげるようにしましょう。原因となるようなストレスがあれば取り除くようにしますが、必ずしも原因がはっきりするとは限りません。
 本人も家族も気にならず、チックがあることで生活上のマイナスがなければ、そのまま放置して大丈夫です。本人や周囲の人が気にしてストレスを引き起こし、からだのチック症状や声を出すチック症状も出現するようなら薬物で軽くしてあげるとよいでしょう。薬物を含めて、じょうずにつきあっていくように考えてください。

【参照】こころの病気:チック障害

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