水疱性類天疱瘡〔すいほうせいるいてんぽうそう〕

 高齢者に多い病気です。水疱は比較的大きく、緊張性でかたく、破れにくいのが特徴です。健康な皮膚面に水疱を形成してくることと、紅斑(こうはん)の上にこれができてくることがあります。この水疱は、破れてもそのあとのびらん面はまわりにひろがっていくことがないので、短期間に治ることもあります。
 軽いかゆみをうったえる程度で、全身状態も比較的良好です。水疱ができるところは体幹、四肢が多く、口腔(こうくう)粘膜もおかされることがあります。水疱のできる範囲にもよりますが、入院加療したほうがよいでしょう。
 また、本症では内臓の悪性腫瘍を合併することがあります。糖尿病の治療薬(DPP-4阻害薬)内服中にこれが起こることもあります。


[治療]
 副腎皮質ステロイドの内服が原則です。副腎皮質ステロイドによく反応することが多いのですが、ときに大量内服を要することや、各種免疫抑制薬、血漿交換療法、大量γグロブリン静注などを併用します。悪性腫瘍が発見されたら、それに対する治療をすると皮膚症状は軽快してきます。皮膚の病変、特にびらん面に対しては抗生物質含有副腎皮質ステロイド軟膏(なんこう)を外用します。

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