糖尿病性壊疽〔とうにょうびょうせいえそ〕

 糖尿病患者にみられる足病変のうち、もっとも重大なものは壊疽(えそ)です。下肢の動脈硬化症による血行障害(閉塞性動脈硬化症)に、末梢神経障害による感覚低下なども加わって皮膚や皮下組織の壊死(えし)をきたすものです。感染を合併することもしばしばです。
 誘因としては靴ずれ、水疱(すいほう)形成、低温やけど、みずむし、足趾(そくし)の外傷(爪の手入れの不注意)などで、ちょっとしたことから重大な事態に至ることもまれではありません。予防には足の清潔を心掛けるとともに、適した靴をはくこと、毎日きちんと足先まで観察することなど日常生活におけるフットケアが大切です。

(執筆・監修:東京女子医科大学附属足立医療センター 病院長/東京女子医科大学 特任教授 内潟 安子)
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