排泄の援助 家庭の医学

解説
 排尿や排便は、生きていくうえで欠くことのできない基本的な欲求の一つです。
 しかし、排泄(はいせつ)の世話を受けることは心理的につらく、悲しいことです。誰でも、「しもの世話は受けたくない」と願っているものです。そのために水分を取らなかったりすることもあります。
 このような気持ちを思いやり、できるだけトイレで排泄できるように援助することが大切です。排泄には、個人個人の習慣があり、排尿などは時間をみはからってうながすと、おもらしをすることも防ぐことができ、紙パンツ(おむつという名称に抵抗を感じる人も多いですが、使い捨てのパンツと呼ぶと受け入れてくれることもあります)をしなくてもすみます。
 寝たままで、便器や尿器を使うような場合は、気兼ねをさせないように、さり気なくおこないます。排泄が終わったあとには、「すっきりされてよかったですね」と喜ぶ対応は、療養している人にとっての大きな支えとなるでしょう。

(執筆・監修:聖路加国際大学大学院看護学研究科 准教授〔在宅看護学〕 竹森 志穂)