塩野義製薬は9日、緊急承認を受けて製造販売中の新型コロナウイルス感染症治療薬「ゾコーバ」について、8日付で厚生労働省に本承認の申請を行ったと発表した。発症前にゾコーバを服用した場合の予防効果を検証する臨床試験(治験)も9日から開始した。
 緊急承認は、治験完了前でも有効性が推定できれば承認を受けられる新しい制度で、ゾコーバが昨年11月、初めて適用された。塩野義によると、後遺症の治験などは継続しているものの、今回、長期の安全性や治療効果の確認など、本承認に必要な資料が出そろったという。
 また、予防投与の治験は、日米を中心に2200人に実施。濃厚接触者にゾコーバを5日間投与し、偽薬を投与したグループと10日経過時点での発症割合を比較する計画だ。 (C)時事通信社