新型コロナウイルス対策を助言する厚生労働省の専門家組織「アドバイザリーボード」が16日開かれ、「5類移行後も感染者数が増加しており、夏の間に一定の感染拡大が生じる可能性がある」との見解をまとめた。新型コロナの定点把握に基づく感染者数は前週比1.12倍で、36の都府県で増加した。
 新型コロナ感染症法上の位置付けが「5類」に移行後、初めての会合。厚労省によると、6月5~11日に報告された定点把握に基づく感染者数は2万5163人で、医療機関1カ所当たりでは平均5.11人だった。都道府県別では沖縄県の18.41人が最も多く、鹿児島県(7.37人)や石川県(6.58人)が続いた。
 座長の脇田隆字・国立感染症研究所長は会合後の記者会見で、「感染者の増加傾向は続くのではないか。ただどこまで広がるのか予測は難しい」と述べた上で、重症化リスクの高い高齢者などは感染拡大に備えたワクチン接種を検討するよう求めた。 (C)時事通信社