愛知県医療療育総合センター中央病院(同県春日井市)は20日、痔(じ)の手術を受けた10代男性が出血性ショックで死亡する医療事故があったと発表した。術後管理が不適切だったほか、蘇生処置で薬剤を取り違えるミスもあったとし、遺族に謝罪したという。
 同病院が設置した調査委員会がまとめた報告書によると、男性は2021年5月17日に入院。翌18日に手術を受けたが24日に容体が急変し、手術した部位からの再出血によるショックで同日夜に死亡した。
 調査委員会は、手術後に適切な薬の投与や観察が行われなかったほか、心肺蘇生を行う際に「強心薬」と間違えて「鎮静薬」を投与していたと指摘した。
 看護師は蘇生処置の途中でミスに気付いたが、強心薬は手元になく隣の病棟へ取りに行ったという。ただ、調査委は強心薬を正しく投与しても、救命は難しかったとした。
 記者会見した新美教弘院長は「ご遺族に深くお悔やみを申し上げるとともに、患者さんに対して心より哀悼の意を表する」と話した。 (C)時事通信社