小学6年~高校2年生の68%が体育の授業中はマスクを「外したい」と思う一方、実際に外すのは49%にとどまるとの調査結果を、国立成育医療研究センター(東京都世田谷区)が1日までにまとめた。意思に反してマスクを着ける場面は他にもあり、専門家は「子どもが自分の意思で着脱を決める環境が望ましい」と指摘している。
 新型コロナウイルス対策のマスクは、3月13日から着用基準が大きく緩和され、屋内外を問わず個人の判断が基本となった。同センターは4~5月、全国の子どもに調査を依頼し、749人から回答を得た。有効回答率は30%だった。
 調査は、マスク着用の状況や希望を場面ごとに質問。体育の授業中の他、登下校時も58%が外したいと答える一方で、外しているのは32%にとどまった。図書館などの利用時は「外したい」が34%と比較的少なかったが、「外している」は7%だった。
 着けたい理由(複数回答)を尋ねると、感染防止対策を挙げる声が多い一方、「安心する」(47%)や「みんながしている」(44%)なども目立つ。マスクを着けないと「変な目で見られたり、からかわれたりする」も14%あった。
 同センター研究所の森崎菜穂部長は「現在はヘルパンギーナなどの子どもの風邪が拡大する一方で、今後はさらに暑くなる。着脱の両方にそれぞれ理由がある」と指摘。その上で「調査では外したいのに着けている子どもが多くいることが分かった。周囲の大人は着脱の理由について子どもと一緒に考え、子どもが自分の意思で決められる環境をつくってあげてほしい」と話している。 (C)時事通信社