新型コロナウイルス感染症の飲み薬「ゾコーバ」が、禁止されている妊婦に投与された例が32件あったことが15日までに、厚生労働省への取材で分かった。日本感染症学会などは医師などに対し、妊娠の有無を慎重に判断して処方するよう求める声明を出した。
 厚労省に対する塩野義製薬の報告によると、ゾコーバが妊婦に処方、投与された事例が10月までに32件あった。うち1件は流産していたが、因果関係は不明という。
 感染症学会などは今月14日に声明を出し、「妊娠可能な年齢の女性の場合は、問診で妊娠の可能性がないと申告されても完全には排除できるものではない」と指摘。患者に丁寧な説明を行い、処方する際は慎重に判断するよう求めた。 (C)時事通信社