新米医師こーたの駆け出しクリニック

「専攻医」って知っていますか
~質の高い医療を地域差なく~ 専攻医・渡邉昂汰

 「研修医を終えて専攻医になりました」と言うと、多くの人から「専攻医って何?」といった反応をされます。

 患者さんにも分かりやすい制度を、と考案された専攻医ですが、新しい言葉であるためか、なかなか馴染みがないように思えます。

2年間の研修医を終え、今度は専攻医として自分の専門分野を勉強し始める【時事通信社】


 ◇専門分野に進み始めた医師

 専攻医を理解するためには、医師国家試験に合格した後の一般的な医師のキャリアを知る必要があります。

 まずは初期研修医として、外科、内科問わず、さまざまな科を回り、すべての医師が習得する必要のある、問診のやり方や頻度の高い疾患の診療、緊急対応などを2年間かけて学びます。

 その後、自分が専門にしたい科を決め、各病院が組んでいる専門医育成のためのプログラムに所属します。この専門医を目指してプログラム内で学んでいる3年目以降の医師のことを「専攻医」と呼んでいます。

 簡単に言い換えると、基礎的な臨床能力を2年間で身につけた後、自分の専門分野を勉強し始めた駆け出し医師といったところでしょうか。

 ◇新制度スタートは3年前

 今までは、内科専門医は内科学会が、皮膚科専門医は皮膚科学会が、と各学会が独自の運用で専門医の資格を付与していました。

 どのような経歴の医師が専門医を名乗っているかがばらばらで、患者さんにとっては分かりにくい制度だったのです。

 この状況を改善するため、第三者機関が制度を統一し、標準化する取り組みがなされました。これが、日本専門医機構が規定し、各病院が運営する専門医プログラムです。

 専門医の認定基準を統一することで、その中で学んだ医師の経歴や診療レベルに一定の質を担保しています。
 
 ◇専攻医の責任とは

 日本専門医機構は、専門医を「それぞれの診療領域における適切な教育を受けて、患者から信頼される標準的な医療を提供できる医師(一部省略)」と定義しています。

 どこの病院へ行っても、ある一定以上の質が保たれた専門医療を受けられる、という医療の標準化は、今後数年でますます進むと考えられます。

 新しい制度での「専門医」という肩書は、安心して医療を受けていただくための一つの指標として、患者さんにとって、より意義のあるものになるのではないでしょうか。

 そのため、専攻医である私たちには、質が保証された医療を提供するために、正しい技術を身に付ける責任があります。

 安心して医療を受けていただけるように、目の前の患者さんに寄り添いながら、科学的根拠に基づいた標準的な医療の提供を目指していきます。

(了)

 渡邉 昂汰(わたなべ・こーた) 内科専攻医および名古屋市立大学公衆衛生教室研究員。「健康な人がより健康に」をモットーにさまざまな活動をしているが、当の本人は雨の日の頭痛に悩まされている。

【関連記事】


新米医師こーたの駆け出しクリニック