規制対象ではないが、大麻に似た成分「HHCH」を含んでいるとされる「大麻グミ」を食べ、一時的に意識を失ったり、嘔吐(おうと)したりする健康被害が相次いでいる。厚生労働省や警察当局は「不審な物は口にしないでほしい」と呼び掛けている。
 大麻グミを巡っては、東京都小金井市の祭り会場で4日、来場者の40代男性から渡されたグミを口にした6人が嘔吐するなど体調不良を訴えた。
 捜査関係者によると、都内では10月以降、大麻グミを食べ、体調不良を訴える声が相次いでいる。同7日にはグミを4個食べた30代男性が一時意識不明となるなどしており、病院に搬送されたケースだけでも少なくとも14人に上る。
 大阪府内でも9月、グミを食べて病院に搬送されるトラブルがあった。
 いずれのグミも大阪市の会社が製造販売していたもので、配合成分の一つとして、厚労省が所持や使用、流通などを規制していない「HHCH」と表示されていた。
 「HHCH」関連商品を取り扱う店舗のホームページによると、「HHCH」は大麻の違法成分「THC」に似せて作られた合成化合物とされ、「『THC』よりも精神作用が高いと考えられる」と紹介されている。
 厚労省の担当者は「大麻草から抽出された化学物質『THCH』が8月に指定薬物となり、流通などが規制された結果、似たような効果を持つ『HHCH』が広まったのではないか」と分析する。
 厚労省は「HHCH」を指定薬物とすることを検討している。ただ、同省関係者は「一つ取り締まってもすぐに同じようなものが出てくる。いたちごっこの状態だ」と指摘した。 (C)時事通信社