大麻〔たいま〕 家庭の医学

 大麻草から抽出され、マリワナやハシシなどがあります。若者の間での乱用が問題になっており、ここ数年大麻取締法による20歳代以下の検挙者が急増しています。大麻には鎮痛作用や鎮静作用があり、外国では医療用として慢性疼痛(とうつう)、多発性硬化症、がんなどで使用されています。しかし大麻には精神依存があり、急性中毒として酩酊、視覚・聴覚の変容などがあり、また誇大妄想・被害妄想、いろいろな幻覚症状などが続く精神病状態になることもあります。日常生活にさまざまな悪影響を及ぼすおそれが強く、国は安易な使用をしないように警告しています。

【参照】中毒:覚醒剤、麻薬、その他興奮薬

(執筆・監修:高知大学 名誉教授/社会医療法人北斗会 さわ病院 精神科 井上 新平)