国連児童基金(ユニセフ)は6日、欧州連合(EU)と経済協力開発機構(OECD)に加盟する先進40カ国で、子供の5人に1人が貧困状態にあるとする報告書を公表した。全体では前回調査より減少したものの、一部の国では大幅な増加もみられた。
 2019~21年の調査に基づきまとめられた報告書によると、世帯収入がその国の平均の60%未満で暮らす子供は21年末時点で6900万人以上。12~14年の前回調査と比べると8%減少したが、英国では19.6%、フランスでは10.4%増加した。日本は、前回調査から18.7%減少し、貧困率は14.8%だった。
 ユニセフの調査担当者は「こうした子供たちのほとんどが十分な栄養、衣服、学校用品や家と呼べる暖かい居場所なしに育つことになりかねない」と、貧困がもたらす心身への影響を指摘。子供に関する社会的保護の拡充など、必要な対策を講じるよう各国政府に呼び掛けた。 (C)時事通信社