こども家庭庁は11日、少子化対策の財源に充てる支援金制度について話し合う有識者会議を開き、2026年度から公的医療保険に上乗せして徴収する案を示した。支援金の総額を段階的に増やし、28年度から本格的に実施する想定。国民から幅広く徴収し、最終的には月額で1人当たり平均数百円となる見込みだ。24年通常国会への法案提出を目指す。
 加藤鮎子こども政策担当相は会議で「支援金は全ての世代に子ども・子育て世帯の応援をお願いするものだ。拠出する皆さんが納得できる仕組みとなるよう取り組む」と述べた。
 支援金の総額は、歳出改革と賃上げで生み出された社会保険の負担軽減効果の範囲内で、こども家庭庁が年度ごとに決定。国民に実質的な追加負担を生じさせない狙いだ。医療保険を運営する「保険者」に納付金額を割り当てる際、保険料負担の状況や加入者数、加入者の収入水準を踏まえる。各保険者は、納付金を賄えるよう加入者から徴収する。
 医療保険のうち、自営業や無職の人向けの国民健康保険は、家族分も保険料を徴収する仕組みだが、18歳までの子どもは支援金上乗せの対象外とする。
 会議では制度を支持する意見が出された。一方で経済界からは、少子化対策をさらに拡充するケースを想定し、「安易に支援金の拡大で対応しないように」とくぎを刺す声も上がった。
 政府の少子化対策「こども未来戦略」案では、24~26年度を「集中取組期間」と位置付け、26年度までに年3.6兆円の予算を追加。このうち1兆円を支援金で確保する計画だ。 (C)時事通信社