中央社会保険医療協議会(厚生労働相の諮問機関、中医協)は13日、製薬大手エーザイなどが開発したアルツハイマー病の新しい治療薬「レカネマブ」(商品名・レケンビ)への公的医療保険適用を承認した。公定価格(薬価)は、体重が50キロの場合、1人当たり年間298万円となる見込み。ただ、費用の大部分は公的保険で賄われる。20日から適用され、年内にも医療現場で使用が始まる。
 同社の申請を受け、厚労省が9月下旬に製造販売を承認し、中医協で薬価や対象範囲などを議論してきた。2031年度には3万2000人への投与が予想される。
 レカネマブは今年7月、米国で正式承認された。卸売価格は年間2万6500ドル(約390万円)と高額で、国内での価格が注目されていた。
 薬価は1瓶200ミリグラムで4万5777円に設定。2週間に1回、約1時間かけて点滴する。投与量は体重によって変わるが、体重が50キロの人では年間298万円となる。
 ただ、日本では、高額な薬価には患者の自己負担に上限を設ける「高額療養費制度」が適用される。年収約370万円以下(住民税非課税世帯を除く)で70歳以上の患者の場合、外来による年間負担額の上限は14万4000円となる。 (C)時事通信社