こども家庭庁は9日、少子化対策の財源として、公的医療保険に上乗せして徴収する新たな支援金について、大企業や中小企業で働く被保険者1人当たりの年収別負担額の試算を示した。2028年度時点で年収600万円の場合、月額1000円、年収800万円なら同1350円となる。同庁が年収別負担額を明らかにしたのは初めて。
 支援金制度を盛り込んだ子ども・子育て支援法などの改正案を議論している衆院特別委員会の理事会で示した。
 今回の試算は公務員の共済組合、大企業の健康保険組合、中小企業の協会けんぽの各被用者保険加入者が対象。21年度の収入を基に算出した。
 年収が200万円の場合は月額350円、400万円だと同650円、1000万円だと同1650円となる。同庁は「被保険者の年収別に機械的な計算をした」としており、負担額は今後の経済情勢などによって変動する見通しだ。
 政府は28年度までに年3兆6000億円を少子化対策に充てる方針。このうち1兆円を支援金で確保する計画で、26年度から段階的に徴収する。同庁はこれまで、自営業者らの国民健康保険や75歳以上の後期高齢者医療制度も含めた各医療保険の加入者数などで案分すると、28年度は1人当たり月平均450円となるなどと試算していた。 (C)時事通信社