財政制度等審議会(財務相の諮問機関)は16日の分科会で、高齢化で増大する社会保障分野の歳出改革について議論した。複数の委員が、社会保険料負担を軽減するために高額医療費の適正化を急ぐべきだと主張。具体策として、薬の公定価格(薬価)の費用対効果を検証する制度を強化する案などが浮上した。
 2024年度予算ベースの国民医療費は約48.9兆円に達し、00年度比で1.6倍に増えた。政府は薬の費用対効果を評価する制度を19年4月に導入し、薬価の適正化に努めてきた。だが、評価対象の薬剤が限られるほか、評価結果が薬を公的保険の適用対象とするかどうかの判断に十分反映されないなどの問題点も指摘される。 (C)時事通信社