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ヘルスケアの課題をイノベーションで解決
~inochi学生プロジェクト~

 「inochi学生プロジェクト」は、ヘルスケアの課題解決に向けて、大学生や中高生がノベーションを起こすための実践教育プログラムを実施している学生団体だ。

 医学生の自分たちでも、人を救える方法はないか。その問題意識の下、2015年から本格的にプログラムを実行に移し、これまでに世界6カ国から400人以上が参加した。

 代表の田邉翼さん、東京支部代表の小坂真琴さんの2人に話を聞いた。

(聞き手・文 医療ライター・稲垣麻里子)

代表の田邉さん


 ◇発祥は関西

 ――inochi学生プロジェクトは関西の医学生が中心となって創設したと聞いていますが、経緯を教えてください。

 田邉さん 関西は、京都大学と大阪大学でiPS細胞(人工多能性幹細胞)の研究に力を入れていたということもあり、再生医療研究の拠点が神戸、大阪、京都といった関西を中心に形成されつつありました。

 そこで、14年ぐらいから関西を、日本の、もっと言えば、世界の次の世代の医療の拠点にしようという動きが、大阪大学医学部の澤芳樹先生と理化学研究所の高橋政代先生、大阪大学大学院招聘(しょうへい)教授の鈴木寛先生を中心に始まっていたのです。

 そこに学生も何らかの形で関わらせてほしいと、創設メンバーである学生3人が澤先生と高橋先生に申し出たのがきっかけで、学生のプロジェクトがスタートしました。

 ――つまり、「inochi学生プロジェクト」はもともと「inochi未来プロジェクト」という大人のプロジェクトの学生チームだったということですね。

 田邉さん その通りです。「一般社団法人inochi未来プロジェクト」は再生医療研究の医師を中心につくられた団体で、当初はその一部として活動していました。

 その後、独立し、「inochi学生プロジェクト」と名前を変えました。

 基本的には、医学部の学生が中心となって、若者の力でヘルスケアに関する課題を解決するということをメーンコンセプトに活動しています。

 私たちは医学部に入って最短6年で医師免許を取得しますが、研修医になって一人前になるまでには時間がかかり、医療行為で人が救えるようになるまでには長い道のりがあります。

 この団体は、医療行為以外で自分たちでも人を救える方法がないかを考えながら、さまざまな活動を行っています。

 19年は「心臓の突然死をなくそう」というテーマで、AED(自動体外式除細動器)の普及率を向上させるイベントを行います。

 医学生の場合、病院の救急医も身近にいて、専門家へのヒアリングも頼みやすい。こういった啓発活動は、医師がやる仕事というよりも、市民であり、医学を学ぶ学生だからこそ、普及に力を注ぎ、市民レベルの革命が起こせるのではないかと思っています。



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