医学生のフィールド

ヘルスケアの課題をイノベーションで解決
~inochi学生プロジェクト~

 ◇直接面接で30チームを厳選

 ――具体的な活動内容について教えてください。

 田邉さん メーンの活動は「inochi学生フォーラム」という、ヘルスケアの問題をテーマにした課題解決型の実践プログラムです。

 具体的には、「AEDの使用率3.7%を改善する」「日本の心臓突然死を減らす」「認知症の社会課題に取り組む」など、毎年、一つのテーマを設けて、中高生や大学生と一緒に、ヘルスケアの課題解決に向けてイノベーションを起こすというプロジェクトです。

学生フォーラム2018のテーマは「自殺予防、テクノロジーから」

 前回の18年は、関西を中心とした中高生や大学生から約120チーム(うち中高生が100チーム)の応募があり、全て直接面接でアイデアやプランを聞き、その中から厳選して30チームに絞ります。

 選ばれたチームに対して、僕たちが組んだ教育プログラムを、18年は10回開催しました。

 関西で9回開催し、東京でも1回開きました。それぞれのチームでプランを実行し、その成果を発表します。

 このプロジェクトは15年からスタートして、これまで世界6カ国400人以上が参加し、80以上のアイデアが生まれました。

 ――学生が教育プログラムを組んだのですか。

 田邉さん 01年に米スタンフォード大学のポール・ヨック博士によって開発された「バイオデザイン」という教育プログラムがあり、イノベーションをけん引する人材育成のために使用されるプログラムなのですが、それをアレンジしたものです。

 このプログラムの開発に携わったスタンフォード大学の主任研究員、池野文昭先生や、元大阪大学の特任准教授だったジャパンバイオデザインの八木雅和先生に監修していただいています。

 ◇意識高い中高生

 ――120チームとは、すごいですね。大学生よりも中高生が多いのは、なぜですか。

教育プログラムに参加した中高生たち

 田邉さん 募集してみて分かったのですが、このような内容の企画に応募する中高生は本当に意識が高くて、本気で人の命を救いたいという、意欲、ワクワク感というか、目のキラキラ感が尋常じゃないんです。

 彼らと接しているうちに、次世代という意味で、中高生だからこそ参加する価値があるのではないかと思うようになりました。

 この学生フォーラムを通じて教育という面でも新たな風を吹かせられる、つまり中高生に働きかけて、既存の教育とは違う教育の機会を提供することは、とても意義のあることだと思っています。

 ――中高生が中心だと、大学生はどのような役割をするのですか。

 田邉さん 大学生にはメンターという立場で関わっていただいています。中高生だけだと、うまくいかなかったり、チームが分裂してしまったり、とかすることがあります。



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