治療・予防

赤血球過多になる「多血症」
背後に病的要因も

 赤血球が減少すると貧血になるが、逆に多過ぎても体にとっては良くない。多血症は、血液中の赤血球が増加して血液の粘度が上がっている状態で、赤血球増多症とも呼ばれる。頭痛やめまい、だるさなどの症状が出たりするが、健康診断などで見つかるケースが多い。東京女子医科大学病院(東京都新宿区)血液内科の志関雅幸准教授は「多血症は、裏にさまざまな病気が隠れていることがあるので、必ず受診して原因を調べることが必要です」と話す。

 ▽大きく三つのタイプ

 赤血球は、全身に酸素を供給する役目を持っている。血液中の酸素は腎臓が監視していて、酸素が不足すると、エリスロポエチンというホルモンを分泌し、赤血球を作り出す働きを促進させる。多血とは、赤血球数の目安となるヘモグロビン(Hb)の値が、男性は1デシリットル当たりおおむね18グラム、女性はおおむね16グラム以上の状態を指す。

早めに受診を。食生活や生活習慣、脱水には注意が必要

 多血症には、赤血球は増えていないが、脱水などで血液中の水分が減り血液が濃くなる相対的多血症や、血液を作る造血幹細胞に異常が生じる真性多血症があるが、最も多いのは二次性の多血症だ。志関准教授は「二次性多血症は、赤血球が増加する要因が別にあり、必ずしも病的なものとは限りません」と説明する。

 例えば、酸素が少ない高地に住んでいたり、スポーツ選手が高地トレーニングを行ったりすると、少ない酸素を全身に効率良く送るために、必然的に赤血球が増える。病的な要因で多いのは、低酸素を生じる喫煙や肥満、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、睡眠時無呼吸症候群など。また、腎臓や肝臓にできる悪性腫瘍の中には、自らエリスロポエチンを作り出してしまうものがあるという。

 ▽定期的に健康診断を

 多血症の検査は血液検査が基本だが、真性多血症が疑われる場合は、骨髄検査や遺伝子検査を行うこともある。二次性の場合は、心臓や肺の機能検査や、コンピューター断層撮影(CT)などの画像検査で腫瘍の有無も確認する。治療はそれぞれの原因に応じて行うが、二次性の場合は原因が分からないことも多く、考えられる食生活や生活習慣の改善が必要になる。

 「多血症の人は血液がドロドロの状態なので血栓ができやすく、特に真性多血症の場合は顕著です。血栓を防ぐ飲み薬を処方することもありますが、脱水には注意が必要です」と志関准教授。

 真性多血症の初期では二次性の多血症と見分けがつかないこともあるという。日頃から定期的に健康診断を受け、多血症が見つかったら、血液内科やかかりつけを早期に受診したい。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)

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