医学生のフィールド

外部と交流深め、社会を学ぶ場つくる
~医師のキャリアパスを考える医学生の会~

 ◇行動を起こさないと外の世界に関われない

 ―徳山さんはどういうきっかけで入会されたのですか。

 徳山さん 僕が通っている研究室の先生が、積極的に外の世界を見ろと言ってくれる先生でした。それで僕もその重要性に気づいて、キャリアパスを考える医学生の会がちょうど僕のやりたいことと似ていたの、先輩に誘ってもらって入りました。

 代表になったのも先輩から背中を押されたからです。仕事を投げ出さないということで推薦してもらいました。

 外の世界というのは、自分から行動を起こさないと関われないと強く感じています。もちろん医学部の中だけで楽しく過ごそうと思えば完結できるので、自分を律して外と関係を持つことは当然エネルギーが必要です。

 しかし、この団体に所属していなかったら知り合えなかった人も多く、彼らが新しい活動を紹介してくれたりしました。外部との接点を持ち続けることでいろいろな可能性が広がっています。

 亀田総合病院で実際に働く医療者の方々と共にディスカッション(キャリアパスを考える医学生の会提供)
 ―今年3月に実施した新たなプログラムはいかがでしたか。

 徳山さん 静岡県内でも医療系学生が一緒に学べる場所を作りたいという思いがあり、県内で開業されている医師に講師をお願いしてコーチングセミナーを開催しました。1回目は試験的に行ったので、個人的に浜松医大の学生を中心に声を掛けました。

 少人数でしたが、参加者は、外部の人と勉強する機会を新鮮に感じ、セミナーを受けてよかったと言ってくれました。その後の懇親会も盛り上がり、県内の医療に関わる学生の輪が広がっていくことを実感しました。

 ◇新しい活動も実施、外部との接点を大切に

 ―最後に学生に向けてのメッセージを教えてください。

 徳山さん 個人的にこの1年間は、一つ新しい活動をすることを目標にしていました。それが先ほどお話したコーチングセミナーです。浜松という閉鎖的な空間で、外とつながれる場所を一つ、つくろうと思い、ようやく一歩目を踏み出せたかなというところです。

 参加する人はまだ少ないのですが、浜松でも社会との接点を作るプログラムを継続して行っていきたいと思っています。

 今の環境で刺激が足りないとか、学生生活がこのままでいいのかなと、少しでも疑問に思う学生は、ぜひ僕らが開いているセミナーに参加してほしい。共感できる部分があれば、いろんな人と接する機会をつくり、一緒に時間を過ごしたいと思います。

 キャリアパスを考える医学生の会のメリットは二つあって、一つ目は、いろんなバックグラウンドを持った学生や大人と関われること、二つ目は、自分の将来のことを立ち止まって考える機会が持てることです。

 僕自身もそんな機会を大切にしていきたいと思っていますし、それを共有できる仲間ができたらそんなにうれしいことはありません。(記事の内容、肩書などは取材当時のものです)


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