治療・予防

げっぷやおならの多さに苦しむ
空気のみ込む「かみしめ・呑気症候群」

 げっぷがしょっちゅう出る、おなかが張って苦しい、胃がむかつくなどの症状に悩んで受診しても、特に異常は見られない。こうした症状がある人は、歯を食いしばることにより空気をたくさんのみ込んでしまう「かみしめ・呑気(どんき)症候群」かもしれない。ひぐち歯科クリニック(大阪府茨木市)の樋口均也院長に聞いた。

 ▽上下の歯が接触

 人間の上下の歯は、普段、口を閉じているときでも数ミリの隙間が保たれている。しかし、歯列接触癖(TCH)といって、無意識に上下の歯を接触させる人がいる。「スマートフォン操作に夢中になって常に下を向いている人や、不安・ストレスを抱えている人などに多い傾向です」と樋口院長は指摘する。

げっぷやおなら、胃のむかつきや膨満感が出現

 上下の歯を合わせると舌が上あごに押し当てられ、唾液が舌の上からのどへ流れ、無意識に飲み込んでしまう。唾液と一緒に空気も取り込むことで、胃に空気がたまる。そうすると、げっぷやおならが増えるほか、胃の膨満感、げっぷとともに胃液が逆流することによる胃のむかつきなどの症状が表れる。また、歯をかみしめることにより、筋肉に過度の負担が掛かり、顎やこめかみ、肩、首、目の奥、頭などに痛みを覚える場合もある。

 ▽マウスピースが有用

 「空気が原因なので、受診しても胃などの内臓に異常が見つからず、原因不明と言われるケースが少なくありません。げっぷやおならが常に出ることで、人に会うのがおっくうになりがちです」と樋口院長。

 かみしめ・呑気症候群は、歯のかみしめが原因なので、歯科を受診して治療する。歯がすり減る、舌や頬の内側に歯で圧迫された跡が残るといったTCHの特徴を基に診断し、治療では空気をのみ込む頻度を減らすために、「スプリント」と呼ばれる透明のマウスピースのような器具を歯にかぶせる。スプリントにより上下の歯の接触が避けられるとともに、無意識だったかみしめを意識するようになる。また、「歯を離す」などと書いた張り紙をしておくのも有効だ。

 下を向かない、ガムをかまずに口の中で転がすなどによっても、上下の歯の接触を防ぐことができるという。不安やストレスが原因と思われる場合は、抗不安薬や抗うつ薬、漢方薬などを使用することもある。

 「げっぷが増える病気には胃炎や胃がんがあるので、まず内科を受診してください。原因が分からず長く悩んでいるようであれば歯科医に相談するとよいでしょう」と樋口院長は話している。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)

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