医学トップの視座

ICTで地域に貢献
自ら学ぶ力を育てる―佐賀大学医学部

 ◇地域医療ネットワーク

 地域医療連携のための一つの取り組みとして、佐賀県は県内の中核医療機関の診療情報と、かかりつけ病院を結ぶ診療情報地域連携システム『ピカピカリンク』の構築を進めている。

 「複数の医療機関を受診していると、それぞれの医療機関ごとに診療情報が管理されるため、全体の経過を把握するのは難しい。このシステムを使うと、どこで受診しても、他の医療機関で行ったコンピューター断層撮影(CT)画像、胸部レントゲン、血液検査データなどが閲覧できるようになります」

 19年10月末現在、診療情報を開示する施設が13施設、閲覧できる施設が360施設、登録患者数は40万9357人に達している。投薬や検査の重複を防ぎ、診療の効率化、医療費の削減につながると期待される。

 ◇佐賀に残る医師

 多くの地方大学と同様、卒業後も地元に残る医師の確保に頭を悩ませている。佐賀大学医学部は入学定員98人のほかに地域枠8人を設定しているが、地域枠が定員に満たなかったり、地域枠で入学したにもかかわらず、地元に残らなかったりといった問題も生じているという。

 「新研修制度、新専門医制度が複雑に絡み合って、地域に残る医師の確保が難しくなっています。地域枠を設定しても充足率が5~6割となると、どうしたら良いのか頭を抱えてしまいます」

 県から奨学金を給付された場合、卒後2年間の初期研修とその後の9年間、合計11年間は佐賀県内で働く必要があるが、奨学金を返金して県外に出てしまうケースもあるという。

 「今後の少子高齢化を考えると、ただ医師を増やせばいいというわけにはいきません。関連病院なども含め、佐賀全体で地域に残る医師を増やしていけたらいいと思います」


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