発達促し心身成長 =砂場遊びの効用
衛生面への配慮などから公園の砂場が減りつつある中、屋内型の施設が登場するなど、子どもの砂場遊びの効用が脚光を浴びている。同志社女子大学(京都府京田辺市)現代社会学部現代こども学科の笠間浩幸教授は「砂場遊びは『楽しい』の一言に尽きます。幼い子どもが1時間も集中する遊びはそうありません。子どもの発達を自然に引き出すさまざまな要素にも満ちています」と話す。
◇乳幼児も学童も
子どもは遊びを通じて、視覚や触覚などの感覚、環境への適応力、想像力や創造性など、さまざまなことを体験的に身に付けていく。「砂場は年齢によって異なる遊び方ができ、1人でも複数でも遊べる遊具です」と笠間教授は語る。
例えば、ハイハイやよちよち歩きを始めたばかりの0歳児は、砂の触感自体に興味を持ち、軟らかく崩れやすい砂の上で何度もハイハイや歩行に挑戦しながらバランス感覚を養っていく。
1~2歳になると、子どもの興味は砂場で遊ぶ「物」に移る。最初は使い方が分からず、振り回したりぶつけ合ったりしていたシャベルなどが、やがて砂をすくう、入れる「道具」へと変わる。こうして子どもは道具の使い方を覚えていく。
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(2016/09/29 16:19)