インタビュー

進歩する放射線がん治療=メリットは患者の負担減

 放射線療法は、抗がん剤などによる化学療法と外科治療(手術)と並んで「がんの3大療法」といわれる。X線などの放射線を主要部に放射し、増殖スピードが早く放射線の影響を受けやすいがん細胞をアポトーシス(自死)させる治療法だ。

 日本では放射線治療が比較的苦手としてきた胃がんの患者が多かったため、外科治療の比重が高かった。しかし、外科手術に比べて患者への負担が比較的小さいなど利点も多い。放射線がん治療の現状を、長年放射線医療の重要性を強調してきた東京大医学部付属病院(東京都文京区)放射線科の中川恵一准教授に聞いた。

 ◇照射制御に磨き

東京大医学部付属病院放射線科の中川恵一准教授
 画像診断法が2次元画像しか得られなかったX線撮影がコンピューター断層撮影(CT)や磁気共鳴画像装置(MRI)に進歩したように、照射治療の面でも放射線の種類やIT技術を活用した制御技術が大きく進んだ。この結果、「これまで放射線では治療できなかったがんにも適用できるようになったし、手術と同程度の治療効果が報告された例も増えてきた」と中川准教授は話す。

 この背景には、より精密になったCTやMRIの検査画像に従って、腫瘍部分に絞って強い放射線を照射できるようになったことがある。照射方法についても、多数の細くて強い放射線を角度を変えながら照射し、腫瘍部分だけが高い放射線量となるように設定できる機材も登場している。

 「理論上、照射線量を高くすればするほど治療効果は上がる。照射部分を腫瘍に限定することができれば、副作用の心配もなく治るまで照射できる。さらに、ほぼリアルタイムで得られるMRI画像を基に臓器の動きを追尾しながら放射線を照射する研究も進んでいる」。照射制御技術の進歩と治療効果の向上の関係を中川准教授はこう説明する。

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