インタビュー

今こそ、薬剤師が変わる時
=明治・星両薬科大学学長に聞く

 ◇再教育に力入れる

明治薬科大学
 二番目のポイントは、既に社会で活躍している約30万人の薬剤師に対する生涯教育などだ。明治薬科大学が実施している生涯学習講座の実績は、15年度に63講座を開催し、1401人が受講。16年度は63講座、1345人、17年度は65講座、1052人となっている。石井学長は「日曜日の開催で都心に比べて地の利がやや悪い点を考えると、熱心な受講生が多いと言える」と話す。

 星薬科大学も薬剤師の再教育に熱心だ。かかりつけ薬剤師の認定制度発足に合わせ、講習プログラムを組んだ。「当初の受講生は50~60人くらいだったが、一気に200人ほどが来るようになった」と田中学長。企業で健康食品を開発した経験を生かし、健康食品作りに携わっている人たちを招き、講義をしてもらう。このプログラムは好評で、仙台や金沢でも実施できないか、と問い合わせがあった。田中学長は「難しい点もあったので、eラーニングによって画像を提供することにした」と言う。

 ◇増す薬剤師の役割

 

星薬科大学
今後の薬剤師はどうあるべきか。

 調剤だけをしているような薬剤師ではいけないとする石井学長は「サイエンス(科学)を勉強しているのは薬剤師だけだ。それを連携する他の医療関係者に伝えてほしい」と期待をこめる。

 田中学長も「基礎的な薬学を熟知した上で、物事の判断がしっかりとできる。複合的に考えて理論的に結論を導き出す。そういう人材が将来を担う薬剤師だろう」と、理想像を語る。(文 鈴木豊)

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