治療・予防

早期受診がカギ-RS3PE症候群
悪性腫瘍との合併も

 ある日突然、両手首と両足首から先が腫れ上がって痛む「RS3PE症候群」。原因不明で診断基準も確立されていない上、比較的まれな病気のため、知らない医師も少なくない。悪性腫瘍やさまざまな膠原(こうげん)病とも合併しやすい。東京大学医学部付属病院(東京都文京区)アレルギー・リウマチ内科の藤尾圭志教授は「RS3PE症候群は、裏に大きな病気が隠れている恐れがあります。必ず精密検査を行ってください」と呼び掛ける。

早期受診が重要。リウマチや膠原病の専門医へ

 ▽手足がパンパンに

 RS3PE症候群は、1985年に米国で初めて報告された病気で、突然、両手首と両足首から先がパンパンに腫れて痛み出し、熱が出たり体がだるくなったりする。60歳以上の人に表れやすく、比較的男性に多いとされる。

 藤尾教授は「一見するとリウマチのようですが、リウマチは通常関節だけが腫れるのに対し、RS3PE症候群は、手の甲や指全体といった関節以外の部分も腫れるのが特徴です」と説明する。実際、血液検査をしてみると、リウマチ患者の多くが陽性となるリウマチ反応や抗CCP抗体は陰性のことが多く、関節の骨の破壊もほとんどない。

 RS3PE症候群は、他の病気に付随して発症することもあり、その一つに悪性腫瘍が挙げられる。「検査をすると、3~5割という高い確率で悪性腫瘍が見つかります」と藤尾教授。診断の際には、コンピューター断層撮影(CT)や内視鏡検査で全身をチェックし、女性は婦人科系の検査も行う。血液検査や超音波検査でリウマチや他の膠原病がないかも確認する。

 ▽指示を守って服薬を

 RS3PE症候群はステロイドがとてもよく効くため、今までは経過が良好な病気だと思われていた。ところが、近年の国内の報告で、治療開始から1年後にステロイドがやめられた人は2割にも満たないことが分かった。減薬の途中で、多くの患者が痛みや炎症を再発させ、ステロイドの継続が必要になるという。糖尿病など他の病気を抱えている人も多いため、藤尾教授は「ステロイドの服用は必ず医師の指示に従い、勝手にやめないようにしてください」と注意を促す。治療中にステロイドが効きにくくなったら、悪性腫瘍や膠原病を疑い、再度精密検査を行うことも必要になるという。

 藤尾教授は「RS3PE症候群は早期の受診がカギです。日本リウマチ学会のホームページなどを参考に、リウマチや膠原病の専門医を受診してください」と呼び掛けている。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)

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