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心臓トラブルの多くは急性心筋梗塞など直ちに生命の危機に直結する。しかし、トラブルの前兆となる軽度の不整脈などについて、継続的に把握している患者は少なく、突然の症状悪化に襲われるケースが多い。心臓手術で多くの新治療法を実施してきた、国際医療福祉大学客員教授の渡邊剛・ニューハート・ワタナベ国際病院(東京都杉並区)総長は、「5年ごとにきちんと病状を把握して治療を続ければ、循環器による突然死や緊急手術は大幅に減らせる」と語る。
問診で患者の状況把握に努める渡邊剛医師
一般の健康診断や日常のかかり付け医での診療では、胸部の聴診や血液検査で病状を評価し、息切れなど循環器に異変の兆候があれば1分間の脈動を測定する心電図や心臓の肥大の有無を確かめる胸部X線検査などで病変を探るのが一般的だ。
しかし、渡邊医師は「このような検査では初期症状の段階を発見できない」と指摘する。その上で、高精度の検査と循環器専門医による診察の組み合わせを提唱する。心臓や冠動脈などの状態を把握するため、コンピューター断層撮影(CT)や超音波エコーなどの画像検査、長時間の心電図検査などを組み合わせ、専門医が病気の有無や程度を判断していくという。
「毎回全ての人がこのような診察を受ける必要はない。50歳か60歳で一度全員に実施し、疾患が見つかれば診療に入る。異常がないグループについても循環器の病気は加齢に伴い発病リスクが高くなるので、5年間隔で高い精度での検診を受けていれば早期発見と治療に役立ちます」と強調する。(了)
(2022/04/26 05:00)
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