一流に学ぶ 「美と健康」説くスポーツドクター―中村格子氏

(第4回)
「子どもが欲しかった」
9年間の結婚生活に終止符

 ◇本格的に医師の仕事を再開

 時を前後して、中村氏は週1~2回の非常勤医師の生活に、物足りなさを感じるようにもなった。過去の勉強やキャリアが役に立たない世界にいることに焦燥感も感じた。どうせ働くなら、設備の整った病院できちんと働きたいと考え、出身校の横浜市立大学から自治医科大学(栃木県)に移籍して、同大学の非常勤講師、日光市民病院の整形外科科長として働いた。

日光市民病院に勤務していた当時の中村格子氏
 家庭の経済事情も変化し、徐々に本格的に働かざるを得ない状況になった。
 「病院での仕事のほかにアルバイトもしました。夜間や土日は家族が経営する店に顔を出して、『老舗の若女将(おかみ)』としての仕事も続けていたんです。子づくりのこともかなり話し合いました。でも、夫の私への愛情が薄くなったんだと思います。これ以上結婚生活を続けたら自分が壊れてしまうんじゃないかな、というところまで頑張ったんですけど、最終的には残念な形になりました」

 42歳の時、9年間の結婚生活にピリオドを打った。「子どもが欲しかったので、40代はずっと苦しんだ」という中村氏。「子どもがいても、いなくても、結婚していても、していなくても、頑張っている人に光が当たるような社会に成熟していってほしい」と話す。

 パートナーを持つことは考えていないのか尋ねると、「いい方がいれば、『今からでも』と思ってますけど、出会いがないだけです」とほほ笑んだ。(ジャーナリスト・中山あゆみ)

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