一流に学ぶ 「美と健康」説くスポーツドクター―中村格子氏
(第11回)
スタイル維持の努力欠かさず
医師としての「説得力」意識
「Dr.KAKUKO スポーツクリニック」には、中村格子氏の本や出演したテレビ番組を見た患者や、スポーツ選手、バレエダンサーらが次々にやって来る。
「国立スポーツ科学センターでは、一般の患者さんを診ることができなかったので、私を必要としてくれる患者さんを診られる環境をつくれたことは、よかったと思います。肩や腰、膝や股関節に痛みを抱えて、いろいろな所へ行っても治らなかったけれど、根本的に治したいと言ってくる人が多いです」
中村氏は診察で、バイオメカニカル・カウンセリングという手法を使う。体の動きを力学的に解明して、その結果を治療に応用する方法だ。
「『体を読む』というんですけど、痛みがあるとすれば、いつ、どういうときに痛いのかを聞きます。膝が痛いとしたら、いつ痛むのか。階段を昇るときか、降りるときか。寝ているときや座っているときはどうなのか。立ち上がりが痛いのか。同じ痛いのでも、何がどう痛いのかで、治療のゴールが変わりますから」
整形外科領域の体の不調は、日々の悪い習慣が積み重なって悪化していくことが多いという。例えば、肩こりは姿勢が悪い状態を続けた結果、習慣性に本人が気づかないうちに悪化してくる。
「痛みがあるときは、どうしてそうなったのか気づくことが大切。何を意識すればいいのかを教えて、それを意識するところから始める。意識してできる、を繰り返していくうちに、無意識でできるようになる。姿勢が悪いのは骨盤が立っていないために肩が前に出てしまうからかもしれない。その場合、意識して骨盤を立てる。そのためには筋力も必要。そのトレーニングの方法を理学療法士がアドバイスします」
- 1
- 2
(2018/09/20 10:55)