女性アスリート健康支援委員会 スケートに懸けた青春、月経の悩みは
長い人生考えて体づくりを
校庭リンクから世界へ、経験次代に―吉井小百合さん
◇小学生から男女で体の神秘学ぼう
女子選手は中高生の頃から、ウエートコントロールに悩むことが多い。個人差はあるが、月経前や月経中は体重が増えやすく、月経終了後は体重が落ちやすいといわれる。「生理前はこういう食事を取ったほうがいい、生理が終わったから今は体を絞るトレーニングをした方がいい、といった具合に、月経の周期を知った上で、家族にアドバイスするということも指導者には必要になる」と吉井さんは話す。
母になった今、月経については、人間の体の神秘として、小学生の頃から男女を問わず、一緒に学んでいく方がよいと考える。「私が小学生の時は暗幕の中で女子だけ教わるような秘密主義があった。スケートは同じ場所で男女一緒に競技をすることも多い。お互いを思いやる意味でも、男女分け隔てなく話を聞くのは年代が早い方が良い。男の子はいずれ指導者になる可能性だってあります」
◇地域に育まれ、母になっての思いは
1年ほど前、吉井さんは母校の小学校を訪れ、今もある校庭リンクで子どもたちと一緒に滑った。「温暖化でリンクが凍る期間は短くなったが、子どもたちは今も変わらず、一生懸命スケートに取り組んでいた。東京から引っ越してきた子も初めてスケート靴を履いて『すごく楽しいな』って。ただ滑るだけではなく、環境がつくり出しているものが、子どもの心にもしっかり伝わっているんだなと思いました」
保護者に対しては、娘がスポーツ選手であるかどうかにかかわらず、月経の状態を把握していてほしい、と言う。「状態を少し知っているだけでも『きょう学校に行きたくない』といった子どもの変化があったときに、対応が変わってくる。ぜひ、そういったことに気づいてあげられる環境を、家庭で築いていただきたいと思います」。最後に、子育て中の母親らしいメッセージを送った。(了)
◇つらい月経痛、レース後に意識もうろう (スケートに懸けた青春、月経の悩みは・上)
◇心技体整え、勝負のバンクーバー(スケートに懸けた青春、月経の悩みは・中)
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(2019/01/12 07:00)