女性アスリート健康支援委員会
母になった吉井小百合さんが伝えたいこと
スピードスケート女子短距離のトップ選手としてトリノ、バンクーバーと2大会連続で五輪に出場した吉井小百合さん。2度目の五輪では500メートルで5位入賞を果たし、爽やかな笑顔が印象に残る。現役を引退し、2児の母となった今、次代の選手たちにどうしても伝えたいのは、世界を舞台に戦いながら、月経痛など女性特有の健康問題に悩み、克服した経験だ。青春を懸けた競技生活を振り返りながら、体験談を語った。(3回連載)
吉井 小百合さん(よしい・さゆり) 1984年、長野県茅野市生まれ。東海大三高(現東海大諏訪高)1年でインターハイの500メートル、1000メートルに優勝し、3年で全日本ジュニア総合優勝。2003年、実業団の強豪・三協精機(現日本電産サンキョー)に入社し、500メートルで世界ジュニア新記録を樹立。06年に21歳でトリノ五輪に出場した。
07年に1000メートルで1分14秒40の日本記録を樹立し、09年には1分14秒05と記録を更新。10年の世界スプリント選手権では日本人2人目の総合2位。25歳で迎えたバンクーバー五輪では500メートルで5位に入賞し、1000メートルは15位。ワールドカップ(W杯)通算2勝。現役引退後の12年春に結婚、2児の母になり、女性アスリート健康支援委員会のサポーターを務める。