[膵臓の構造とはたらき]

 膵臓(すいぞう)は、背中に近い腹部の深い位置にある長さ15cm、幅3cm程度の比較的やわらかい臓器で、頭部・体部・尾部に区分され、頭部は十二指腸に、尾部は脾臓(ひぞう)に接しています。頭部には肝臓で生成される胆汁の通り道である総胆管が貫くように存在し、膵液の通り道である膵管と合流して、十二指腸に注ぎます。

 膵臓には外分泌機能と内分泌機能という2種類の役割があります。外分泌機能とは、膵臓でつくられる膵液を十二指腸に分泌して、食物を消化するはたらきです。膵液に含まれる消化酵素としては、アミラーゼ(でんぷんを分解する)、リパーゼ、ホスホリパーゼA2(脂質を分解する)、トリプシン、キモトリプシン(たんぱく質を分解する)などがあります。
 内分泌機能とは、ホルモンを産生して血中に分泌する機能を指します。膵臓では内分泌細胞が集まっているランゲルハンス島(150μmぐらいの島状の細胞集団)が膵臓全体にちらばって存在しています。膵臓で分泌されるホルモンには、血糖を下げるはたらきがあるインスリン(β細胞から分泌されます)がもっとも知られていて、その他、グルカゴン(α細胞から分泌されます)、ソマトスタチン(δ細胞から分泌されます)など多数あり、様々なはたらきをします。

(執筆・監修:自治医科大学附属病院 病院長/自治医科大学外科学講座 教授〔消化器外科学〕 佐田 尚宏