ワイル病〔わいるびょう〕 家庭の医学

 ネズミやイヌなどがレプトスピラというらせん菌を保有していることがあり、この菌がその動物の尿中に排泄され、それで汚染された河川の水などを介し、皮膚から侵入すると発熱や頭痛、筋肉痛、黄疸(おうだん)などを起こします。
 このうち、黄疸が強く、腎機能障害などを合併する重症のものがワイル病と呼ばれるものです。
 数日の潜伏期ののち、39~40℃の高熱とともに頭痛、筋肉痛、目の充血、嘔吐(おうと)などで急激に発病します。さらに数日後、腎不全を合併し、黄疸も生じてきます。皮下出血や消化管の出血を伴い、心筋炎を合併することもあります。
 治療にはペニシリンやストレプトマイシンが使われます。

【参照】感染症:レプトスピラ症

(執筆・監修:熊本大学大学院生命科学研究部 客員教授/東京医科大学微生物学分野 兼任教授 岩田 敏)
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