トラコーマ〔とらこーま〕

 トラコーマクラミジア(クラミジア・トラコマチス)の感染によって起こる結膜炎で、クラミジア結膜炎ともいいます。
 かつてはわが国では多くみられた病気ですが、現在はほとんどなくなりました。しかし世界的にみると、一部の開発途上国では失明原因の上位を占めています。トラコーマが常在している地域では、感染した人、特に保菌者となる若年者の目や鼻から出る分泌物から感染します。また、感染した人の目や鼻から出る分泌物と接触したハエからもひろがります。
 感染をくり返して数年経過すると、眼瞼(がんけん:まぶた)の内側に重度の瘢痕(はんこん:きずあと)が形成され(結膜の瘢痕化)、内側と眼瞼の境界の瘢痕組織によって、まつげで眼球がこすられます(睫毛乱生:しょうもうらんせい。逆さまつげ)。これによって、角膜が瘢痕化することがあり、治療をしなければ、この状態から不可逆的な目の混濁が進行し、視覚障害を起こし、典型的には30歳から40歳の間に失明に至ります。
 トラコーマクラミジアは、目に感染して結膜炎を起こすトラコーマのほかに、性感染症の原因にもなります。性行為の際に感染してクラミジア結膜炎を起こしたり、産道感染により新生児に新生児眼炎を起こすことが問題となります。クラミジア結膜炎では、濾胞(ろほう)性結膜炎を起こし、めやに、充血がみられ、慢性化することもあります。新生児では、生後1~2週間で発症し、めやにや充血がみられ、結膜の表面に偽膜を形成することがあります。
 治療には、クラミジアに有効なテトラサイクリン系の抗生物質を用います。症状が消えて一時的によくなっても、再発することがあるので、治療を中止せずに続けることが必要です。

【参照】目の病気:トラコーマ
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